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安曇野写真記 第3話 響くシャッター。リズムはカノン。

こんにちは。

まだまだ暑いですが今日は、写真記に。

前回の更新と実に2週間と空いてしまったわけですが…頑張ります。

だから皆さんも頑張って前回、前々回の記事を読み返してから読んでいただけることをお勧めします(;´∀`)

では…、ちょこっとあらすじを書いて本編へ行きましょう。










[あらすじ]…高校2年の12月。この季節に独り身は肌寒い。当時思いを寄せていた女の子に青年のアタックが今宵始まる。
さやかさんがヴァイオリンで最高のコンサートを披露し、演奏に感動した青年は前々から決めていた「クリスマスにぴったりなイルミネーションの写真をプレゼントしよう」と改めて決意する。
舞台は安曇野。軽く氷点下を超えた寒空の下、青年は最高の一枚を撮ることが出来るのか。






着いた…。

“国営アルプスあづみの公園”

人里はなれたところに妙に明るく、広い敷地が。

思わず税金の無駄遣い…なんて言いそうになったがここは私にとって、かけがえのない場所になるかもしれないところである。

言葉には気を付けなくては…。


しかし…寒い…。

自転車で全力で漕いできたものの、すぐに体の熱は冷め、寒さが襲う。

そもそも、ここへ夜中に自転車で来るという行為自体、間違っているのである。警備員のおじさんに、嫌な顔をされたのを覚えている。


が。

建物の中に入ってしまえばこちらのもの。

さすが…国営。

使ってるとこに使ってるじゃないか、税金を。

いいぞ、暖房がんがん焚きなさい。


そして、いよいよ入園。

なぜかゲートが。え…入園料取るんかい…。

なんでニコニコしながら左手出してるんだこの爺さんは…。

まぁ…数百円で恋が実るなら安すぎる。いいだろう、払ってやろう。


そんなことを考えながら、清田と入園。

しかし、珍しい客だと思われていただろう。

クリスマスシーズンに年頃の男二人でイルミネーションを見に来るんだから。あっちの人たちかしら…なんて思われていそうである。

けれども、そんな下らない不安はすぐに吹き飛んだ。

なぜなら…入園して少し歩いたところで、目の前に広がった光の芸術に私は圧倒されていたからである。

安曇野公園2
                                      (PHOTO BY 千紀)
どうだろう…

もう言葉では言い表せないような光景が広がっていた。

しかも男は普段、こういったところには来ない。女の子と一緒じゃなきゃ。


学生の頃から長野の綺麗な自然に囲まれて育ってきたが、人間が作ったこの光の造形には正直、圧巻された。

“光の海”があったのである。


しかし…、やはり隣にいた男は冷静だった。


清田「千紀くん!ほら、写真撮らないと!時間ないからね。」


千紀「…」


清田「見とれてないで、早く撮りなって!!」


千紀「この良さが分からないのか…いいか、写真はカメラで撮るもんじゃないんだぞ」


清田「下らない御託はいいから。写真はカメラじゃないと撮れないから。」


千紀「このリアリストめ…」


清田「もっと現実を見たほうがいいよ。終電は待ってくれないから。」


千紀「…」



そう、終電がある。

普段電車に乗らない私にだって、終電の意味くらい解る。

これに乗れないと帰れないってやつだ。だから、終電の電車が来る前には駅に着いてなければならない。

ここまで大体、30分かかってやって来れた。

逆算すると、9時半が終電だったから、9時前にはここを出ないといけない。

いや、違う…。

私は自転車に乗ってここまで来たが…その自転車は、清田の妹さんの自転車だった…。

だからこの自転車は清田の家に返して、そこから…歩いて駅に行かねばならない…。

たしか駅から清田の家までは…これも30分近くかかったはず…

単純に計算しても8時半くらいにはこの公園から出なければマズイ。


しかし…ふと頭の中に妙案が浮かぶ。

“今日は金曜日…明日は学校もないし…終電に乗り遅れたら…コイツの家に泊まればいいんじゃないか…”

ふふふ…

なんでこんな簡単なことに気がつかなかったんだろう…'`,、('∀`) '`,、

余裕を持って公園内を回れる。







国営アルプスあづみの公園。

国営アルプスあづみの公園は長野県にある国営公園。

「自然と文化に抱かれた 豊かな自由時間活動の実現」をテーマにして、

2004年7月24日に全国で16番目、甲信越地方では国営越後丘陵公園に次ぐ2番目の国営公園として、

長野県安曇野市(堀金・穂高)に安曇野地区部分が暫定的にオープンした。


また2009年には、大町・松川地区部分(大町市、北安曇郡松川村)が開園。


さらに将来的にはどちらの公園も規模を3倍つまり、敷地が3倍になるらしく…


しかし今はそんなことはどうでもいいのである。

もう後にも先にもここに来るのは、これが最後。


1枚、いや2,3枚ほどいいカットが撮れればいいのである。

いや、撮るんだが…。


安曇野公園3
                                 (PHOTO BY 千紀)


青を基調とした、艶やかな光が特別な夜を演出する。

また公園内には、音楽が流れており…山下達郎の「クリスマスイブ」や、マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」…

クリスマスの名曲が流れる。

そしてそんな曲に合わせて、イルミネーションも点滅をする。

撮る側としてもこれはテンションが上がって、撮っていて楽しい。


しかし、私は夜景の撮影は初めてに近かったので露出、つまりカメラのシャッタースピードや、絞り(光の光量調節)、ISO(感度)の合わせに手間取る。

専門的な話になるのだが、いまのコンパクトカメラならオートで感度やらいろいろ合わせてくれるみたいだが、一眼レフカメラは全て自分で設定しないといけない。

一応はすべてカメラ任せという設定もあるのだが、正直「…うん。」みたいな出来で、最悪の場合はカメラの自動プログラムでも認識できないような場所はあるのでいい写りは期待でない。


この日は幸いなことに曇り空ではなくて、日中は晴れていたせいか夜空に星が見えていたけれども、やはり周りが暗いことには違いなくて…

とりあえず、画質を諦めて光量を得るために感度を上げる選択肢を取った。

その分絞り値を高くしてやればよかったのだが、生憎シャッタースピードが遅すぎるとこの公園のイルミネーションはちらほらと移動するように点滅しているので…

どうやってもスローシャッターで撮るとぼやっとした写真になってしまう。

つまり、三脚を持ってきてもスローシャッターで押さえることはないのでただのお荷物になってしまった。

それでも作画をするときなんかは三脚がなかなか活躍してくれたので持ってきた価値はあったような…。


カメラ機材


当時、我が写真部でデジタルカメラを所有していたのは私だけで。

いや、語弊があるのだが“機材的に揃っている”のは私だけで…親にも顧問にも、「学生が持っていていいもんじゃない」なんて嫌味を言われていたほど。

校内では、文化祭や新人勧誘などの作品展示でも私の写真を見に来てくれるだけの方が居たり、そこそこ評判が良かった。

だからこそ、こんなところで失敗するわけにはいかないし、ましてや「はじめての夜景の撮影で…全然撮れなかったよ。」なんて恥ずかしすぎるのだ。


清田はバリバリのフィルム派であり、イルミネーション撮影にもフィルムカメラで挑んでいた。

しかし、やはりフィルムの感度にも限界があり、適性露出が得られずに苦戦していた。


私がカメラを始めた頃にはデジタルカメラが出回り始めたころでった。

高校の頃には既にデジタルカメラの勢いが止まらなく、フィルムカメラがもう絶滅しかかっており…

いまもそれは変わっていないのだが…

だから、当時から部長の清田とは

「俺たちがフィルムで撮影して、現像まで自分たちでやるって本当に最後の世代かもしれない」という話をしていた。

そんなこともあり、私も同世代の中では人一倍フィルムカメラには思い入れがあったのだが…

今日は背に腹は代えられないではないが…

フィルムカメラで失敗したら本当に終わりだが、デジタルカメラならそれがない。

それがないとは言い切れないが、その失敗の確率はグンと減るのは確かなこと。


なにより、撮影後の画像が確認できるのはとても便利で、次にどう修正すればいいかだいたい読める。

だから、カメラを買う際に大事にしたいのがモニター。結構見落としがちだが、ここのモニターの解像度なんかにこだわると、いざパソコンにデータを取り入れるときに

撮影したままの、つまりモニターで見たままの画像がパソコンのまえで見れることになる。

逆は言うまでもなく、モニターの画質が悪いので自分の撮った写真の白飛びなんかが上手く確認できずに…ということはよくある。


と、そんなカメラの御託はいらない。








思ったより公園は広くなかなか撮りごたえがある。

また音楽に合わせて、色や点滅の間隔が変わるイルミネーションには、撮っている方にも飽きはなくて、同じ景色は二度と見れないような、"絶対に押さえてやる"という気持ちに駆られる。


しかし。

気持ちは撮影に向いているのだが、体が思い通りに動かない。

歩いていれば幾分は楽なのかもしれない。

なぜなら、繰り返すが、"氷点下"である。かなり寒い。細かいダイヤルの設定等あるカメラマンにとって手袋なんて流暢なもの付けてる余裕はない。

また、1つの撮影場所を決めるとそこに何分か当然ながら止まって撮影するので、ちょっとの風が痛い。

もう手はかじかんで…だんだん感覚がなくなっていくのが解る。

歩いてないと、つま先が凍ったように冷たい。

華やかな場所であっても、冷たい場所である。


そして、ここでまたもやつが…


清田「千紀くん!ちょっと急いだほうがいいかもよ!!もう8時になっちゃうよ。」


千紀「あぁ、けどアレだな。腹減らないの?どう、あそこにレストランあるけど…?」


清田「そんな時間あるの?」


千紀「いや、時間はないかもしれないが…手が冷たすぎる。ラーメンの一杯でもさ食べれば温まる気がするんだが。」


清田「うん…。でも、ほんとに帰る時間考えたらあと30分くらいしかここにいられないからね?」


千紀「でもさ、この寒さに震えた状態で撮ってても、いい画は撮れない気がする。間違いなく。」


清田「それは…」


千紀「ok ok  5分で食べよう。」


というわけで、さすが国営!と言わんばかりの大きな食堂が園内に併設されてあるのを利用させて頂き、醤油ラーメンを頼む。

しかし、どういうわけか清田は頼まない。


千紀「おい、頼まないのかよ?」


清田「あ、うん。お金ないから。」


千紀「ちょ…。なんか俺だけ食うのって悪い気がするよ。」


清田「いいから。早く食べなよ。伸びるといいことないよ。時間も麺も。」


千紀「…あぁ。」


清田の寒さに拍車をかけるジョークを軽く流し、ラーメンを食べる。

ただこの時、考えていたのは、寒さのことでもなく、いい写真を撮るということでもなく、さやかさんのことでもなく。

どうして、コイツ、清田は付いて来たのだろうかということ。

寒い中、道案内だけでも良かったはずなのに…。

普段フィルムを買うのでいっぱいいっぱいのはずなのに、入園料まで払って。

飯まで我慢して。

さらに言わせてもらうなら、フィルムカメラでしかも感度400ほどのフィルムでは夜景撮影は条件が揃ってないとほとんど不可能である。

しかも清田が使っていたフィルムカメラは35mm、レンズはたいして明るくもないレンズ。

もう撮れるわけないのである。

それなのに、なぜ来たのか。


清田の意地なのか…それともただ単に友達思いなのか、行ってみたかっただけなのか、こればっかりは聞いてみないと分からない。

ただ私にはそんなこと聞くのは小っ恥ずかしかった。


だから、私の中で勝手に結論づけた。


安曇野公園4
                           (PHOTP BY 千紀)


そんな清田への勝手な思いを胸に再び、寒い寒い園内に戻る。

けれど残された時間、私のすることは1つ。

清田の行為を無駄にすることなく、私は遂行しなければならない。



なにより、"撮る"

それも正確に、綺麗に。

そこに自分のアイディアを入れて上手く作画する。

一口に写真と言ってもシャッターを押すだけではない。

たしかに"写真"には、"音楽"や"演技"に比べると人に与える感動は少ないと思う。

けれど少しでも、「いいね、この写真」と、"綺麗"、"素敵"なんて思って貰えたのならこっちの勝ちである。


私の写真論であり、私が写真を撮る理由でもある。


だから、さやかさんにも見て貰いたかった。

彼女の演奏に比べると小さな感動しか与えられないかもしれないが、その感動が少しでも大きくなるような写真を撮ろうと思った。


清田にも感謝の意味も込めて撮ってやろうと思った。








残された時間は数十分。


青年はいろんな思いを胸にシャッターを切る。


それは最早、誰かのためではなく自分のためだったのかもしれない。


自分がこの場所にいるのは写真を撮るためであり、自分がここにいていいのは写真を撮るからだ。


"光る海"


さて、どんなふうに料理(作画)しよう。





                        第3章完

 



 ランキング参加中です。
                
 執筆意欲に関わるんです( ´∀`)σ





こんにちは!

やってやりましたよ。
人間やれば出来る生き物ですね。
こっちの話です。

写真記の第3話目ということで。
一応リクエストを受けたので「すっごく楽しみにしてるから!もう続きが気になって…」なんて
言われたので気合い入れて数時間画面の前で粘ってみました。

なんだかんだで3話で完結させるとか言っときながら、4話目、5話目が書いてて見えてきました。笑
あわあわ。って感じです。

また明日からは一応普通の記事に戻ろうかなと思うんですけど…
記事が上がってなかったら、「あ、管理人バテたな」って思ってください。笑

いやぁ、しかしね、リクエストされると嬉しいもんですね。
無理してでも書いちゃいますよ。
だからみなさんからのリクエストもお待ちしております。


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[ 2011/08/03 15:00 ] 安曇野写真記 | TB(0) | CM(1)

めっちゃきれいww

写真技術ってもってて絶対損はないと思うんだ←

というわけでどうやったらそんなキレイな写真がとれるの?///
[ 2011/08/03 11:45 ] [ 編集 ]

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