スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

安曇野写真記 第1話 カノン響く夜に。

こんにちは。

3記事連続投稿の第2弾ということで、

久しぶりの写真記をアップさせていただきます。


思えば、写真記として書くのは「乗鞍記事」以来…。

どうしても過去のことを回想しながら書くわけですから、

若干の記憶のズレ、消失等ありますが思い返して書いていきたいと思います。

私は、写真というのはそういった失いかけている思い出を、思い出させる手助けをしてくれる1つのツールだと思っています。

そして今回、写真の力を借りながら思い返しつつ書いていきたいと思う写真記の舞台は…


『国営アルプスあづみの公園』

公園かよ…って思った貴方達には説明が必要ですね。

いや、説明は写真記の中でするとしましょう。


また、なにを撮りに行ったかといえば、


クリスマス・イルミネーション

実に季節外れなのですが、あえてこの時期に持ってきました。

そしてこの写真記なのですが私が高校2年のときのおはなしです。

書く前にそのころの写真を見返したんですが笑っちゃいますね。

いや、まあ技術の面だったり、あの頃何に価値観を置いていたのかとか。

一言で言うならば、若いっていいんです。笑

あと言っときますが笑うところないですからね。今回は。

もうほんとに思い出すのも「…うん。」っていう話だし。でも忘れられない、そんな青春写真記になりました。

まだまだ言いたいことはあるんですが、またあとがきにでも。

それでは…












カノン…

パッヘルベルのカノン。

3つのヴァイオリンパートが2章節遅れて同じ旋律を演奏する。

現代でも、このカノンの影響は根強く残り、

J-POPなどには和音進行つまりは、コード進行は多用されている。

“黄金のコード"の名に相応しい1曲である。






素晴らしい…。

初めて聞いたわけではないが、生でヴァイオリン演奏を聞いたのは今日が初めてである。

今日のコンサートのパンフレットの目次を見るまでこの曲の名前すら知らなかったのだが

「パッヘルベルのカノン」…

なんだろう…

いい音楽というのはなにか体の奥のほうから沸々と湧き上がるものがある。







12月10日。

我が高校の、毎年行われる「クリスマスコンサート」

クリスマスコンサート

私の高校は進学校ながらも行事ごとには力をいれており、

クリスマスコンサートに関しても例外ではなくては他校には見られないほど、会場もホールでやるなどそれなりに力を入れていた。

高校2年である私は来年は受験で来れないだろうなと、今年初めて聴きに来たのだ。

カップルばかりいるんだろうなと覚悟して彼女なしの私は会場入りしたわけだが

ほとんどが演奏する生徒の友達か親、先生といった具合で、カップルは私が見る限りいなかった。

どうやら奴ら、クリスマスの勝ち組は街へ行ったようだ。





そんな淀みのないコンサート会場では圧倒的に女子生徒の比率が高い。

まさに聖地。

どうやら此処へ来たのは正解だった。

女子の隣にさりげなく座って、声をかけて…、ナンパに似た行為すらしようと思ったくらいであるが、

此処へ来た目的が意味を成さなくなる。

そう、音楽に全く興味がない私がクリスマスコンサートに来たのには理由があった。

クリスマスコンサートの主催は音楽部なのだが、

その音楽部は、「合唱班」と「弦楽器班」に別れており、吹奏楽部とはまた違った部活であるのだが私には正直、吹奏楽部との違いがわからなかった。

そしてその音楽部の弦楽器班のヴァイオリンを弾いている一人の女の子に私は思いを寄せていた。

つまりここへ来た理由は1つ。

その子と24日までに良い仲になるために。



さやかさん…。彼女とは1年から同じクラスであった。

惚れたのは9月当たりだったと思う。

合唱コンクールという音楽祭に向けてクラス単位で練習をする際に、音楽部であった彼女が先頭にたって

指揮をしたり、音をとったり。

パートごとに分かれて練習するような機会があったのだが

2つある男子パートの1つの音取をしたのが さやかさんであった。

そのときの一生懸命に鍵盤を叩き、十数人いる男の中で、女の子一人で音をとる彼女にどうやら惚れたのかもしれない。

そしてその時、言うまでもないが適当な理由をつけて彼女とは携帯の番号を交換した。

それからである。

今まではそこそこモテていた私が携帯の前で悩みながらメールを一文字ずつ打ったのは。

さやかさんとは同じクラスといっても正直話す機会もなかったし、まったくと言っていいほど接点がなかった。

同じクラス。ということくらい。

そんなわけで、2年の9月になって初めて話したといった具合である。

つまり、さやかさんに関して私はまったくの情報がなかったのである。

しかし、さやかさんと同じ中学校であった友人に彼女について少し話を聞くことができた。

そしてそこから分かったのは

・頭がいい。(私の10倍)

・おウチはお金持ち。

・中学校じゃ、かなり男にモテていた。

・今は誰とも付き合っていない。

・頭がいい。(私の30倍)

強調して言われたのだが、私より数十倍「頭がいい」らしい。

そしてどうやら私の制球眼は間違っていなかった。

彼女からは男の匂いは感じなかった。正直、特別かわいいといった感じではなくてどちらかと言えば

磨けば光る感じの子だった。ハッキリ言えば容姿はなにか足りない感じの子だった。

しかし、その容姿を彼女の性格が補っていた。

普段はうるさい女友達の横で頷いているような、物静かな子であったのだが、話せば明るいし優しい子だった。

だが、私とは接点がほとんどなかったのである。

合唱の練習の合間に少し話をしたり、休み時間に世間話をしたり。

それも彼女からではなく、勿論私からであるのだが。

当然、メールにしたってそうである。

そして、いつのまにか私の中のネタの弾薬庫がカラになる。

女子高生


いままでの子とはなにか違っていた。

毎回似たような子と恋愛しているのかと言われればそうではないのだが、

手ごたえといったものがないのである。

なにか彼女の中の何かが掴めないのである。

さやかさんのメールに関してもそうである。こっちがどう送ろうとほとんど毎回あっさりした感じで帰ってくる。

しかしどう見ても男慣れはしていないから、恐らく天然。


そして、さやかさんに対して大きく踏み込めず、ただ時間ばかりが過ぎていき、ついに12月を迎えてしまった。

正直9月から3ヶ月も経っているのだが大きな進展はない。

しかし朗報もある。さやかさんの周りに男の影がないこと。

どうやら部活以外で頻繁に話をしたり、メールをするのは私くらいなこと。


そんな12月の朝の1時間目が始まるロッカーの前で彼女と話をしたときのことである。


千紀「おはよう。」


さやかさん「おはよー」


千紀「1時間目なんだっけ?」


さやかさん「うーん>< たしか地理じゃなかったかな」


そんな定石の朝の会話を交わした後にふと、さやかさんの手にしたビラが目に入る。


千紀「ん?それなに?」


さやかさん「あぁ、これね今度のクリスマスコンサートのやつだよ」


千紀「クリスマスコンサート?」


さやかさん「10日にあるんだよ、あっちの会館の方で。」


千紀「へえ。ヴァイオリンやってるんだっけ?」


さやかさん「そうだよ^^」


千紀「暇だし、聴きにいくよ。」


さやかさん「ホントー?たぶん詳しいことは放送で流れると思うから。しっかり聞いてよ。」


千紀「おーけーおーけー」

と、まあこんな感じに私はコンサートへ行くことへなり…

しかし、ただ聴きに行ったのでは次会ったときには「演奏良かったよ」、「あの曲が良かったよ」なんて会話になりかねない。

違う。

そんな会話がしたいんじゃない。

こう、クリスマスっぽい、特別なやつだよ。うん。


なにか練る必要がある。





悩んだよ。

私は苦悩した。

次の会話のネタにコンサートについてと、何か、何か、あとプラスアルファほしいこの気持ち。

それもクリスマスネタなら上出来だよ。


そんなクリスマス直前に焦る寂しい男に天の囁きが。

そして私は、この逆境から抜け出す最高の一手を見つけたのだ。












12月10日 コンサート当日。

時は満ちた。

いや機は熟した。

もはやこの計画があれば確実に、さやかさんを捕まえられるだろう。

あとはタイミングを外さず、そして上手くやるだけ…。


おっと、忘れていた。コイツにも一役買ってもらわなければならない。

トチるなよ、と心のなかで呟き、会場入りし

計画通り、前の方の席に着く。


そして何曲かクリスマスソングの演奏があり、

「パッヘルベルのカノン」の演奏が終わり、冒頭の今に至るのだ。


カノン…正直、曲そのものも素晴らしいのだが、さやかさんが演奏したカノンというのがさらに私の中の何かに火をつけた。

いかん。いかん。

あくまでもこれからは慎重に、しかしかつ大胆に計画通り動かなければならない。

クリスマスツリー

そろそろ時間である。アイツがちゃんと時計を見ていればそろそろのはず…。

アイツというのは、我が写真部の部長である。

写真を語らせたら正直メンドクサイくらいで、カメラの機種、メカニズム、技法、現像について聞いても必ず返ってくるようなカメラ野郎なのだが

クラシックにも多少興味が有るらしく、写真部部長である、清田をコンサートに誘ったのである。

そして清田はそろそろ席を立つはずである。

なぜなら彼は電車通であり、この会場から今から乗ろうとしている電車に間に合わせなければならない。


が、あろうことか清田は演奏中に席を立った。

いくら電車が間に合わないからと言って演奏中に席を立つのはマナーに欠けるだろう。

いや、これはいい。

逆に好都合である。清田は身長が高く、すらっとしたやつで前の席に座らせたのは成功だった。なんせ途中、退出は認められてはいるものの

演奏中に退出しようものならば、観客だけでなく、演奏者の目にも止まるはずである。

清田は私に「千紀くん、先に行くよ」と言い残し、つかつかと会場を後にした。


でかした、と心のなかで彼を褒め、次は私の番である。

あと2曲というのが頃合いだろう。


ふ…ふふふ。


そう。


今回の作戦というのは、こうである。


電車通で、駅までは徒歩である清田をコンサートに誘う。

彼は歩いてい駅まで行かなくてはいけない故に、「あの電車」に間に合うように私よりも先に会場をでる。

私は自転車通であるから彼よりはこの会場に長く居ることができる。

これを利用しない手はなかった。


清田が長身であり、途中退室すれば目立つのは眼に見えていた。それも前の席なら尚更である。

そして清田が出て行った後、それも2曲ほど間隔を開けたあと私も途中退室をする。

勿論、目立ったのは言うまでもない。

正直、演奏中に席を立つのは本当にご法度である。

が、当時、目先の色恋に血走った男子高校生の計画的行動はマナーを破ることすら栄誉に思えるのだ。

もうコレは言葉で言い表せるようなものではないし、今思うとバカである。


だが、この清田の途中退室に対し会場中が嫌悪感を抱く。のは、布石でしかない。

その嫌悪感の中、さらに隣にいた私が途中退室をすれば

会場を敵にまわすことにはなるが、

それよりも重大なミッションを成し遂げることができるから。


さやかさんに「俺、コンサート来たから!!!」っていうアピールをするのにな。




私も正直この会場を退出するタイミングが少しでも遅れると「あの電車」に間に合わない。

「あの電車」とは何か。

今回の作戦の核をなすものの重大なプロセスである。

さやかさんにコンサート来たよアピールを終えた私はそのまま駅まで自転車を飛ばし、

18:30発の電車に乗り、安曇野の駅からさらに『国営アルプスあづみの公園』 ダッシュしなければならない。


なぜか。


来たよ。アピールで彼女はこう思うはずである、「あれ、もう帰っちゃうのかな」

いや思わなくても結構、最悪の場合は「なにあれ?感じ悪いな…」

正直ここは前者であって欲しいのだが、賭けだった。

まあ、どちらにせよ、彼女の気が引ければ良いのである。


後日彼女に会い、話すときには一応、途中退室を詫びながらも

私は

「国営アルプスあづみの公園の

  クリスマスイルミネーションを撮りに行ったんだ」

と口にし、女の子が好きそうなイルミネーションで勝負に出ることにした。


つまり、当時の私の心境はこうである。

クリスマスイルミネーションを撮りに行くという予定がありながらも

さやかさんに女の子ばかりのコンサートに私が来ていることを知らし、私の思いを間接的に伝える。

そしてさらにバッチリ撮ったイルミネーションの写真を彼女にプレゼントすることで…むふふ

なんて考えていたのである。

事実、このあと、この作戦が成功することになる。








話を戻そう。

私はついに清田が出て行った2曲後、予定通り途中退室する。

勿論、演奏中にである。

正直、視線が痛いし、さやかさんの気を引くとはいえ、私の気が引けてしまう。


しかし、ただコンサートに行ってその感想を彼女と話しても恐らく進展はない。

と、私は確信していたのである。

だったらもう1つなにか欲しい。

それが、そこそこ有名な「国営アルプスあづみの公園のクリスマスイルミネーション」の写真を撮りに行くというものだった。


私は最早、周りの目など気にならなかった。

会場は明るくて、顔なんてすぐバレテしまいその会場にいる女の子にはマイナスのイメージしか持たれないが

私の顔を確認してもらいたいのは、さやかさんだけで十分である。

それも既に完了した。なんせ手を軽く振ったら笑ってくれたんだからな。



そして私は途中退室をする。

いや、これは途中退室なんかじゃない。


私が会場を退出したあとも、さやかさんが演奏したカノンは頭の中で流れ続けていたのだから。



私はこれから最高の演奏のお返しに


最高の一枚を撮りに行くのである。




              第1章 完





ランキング参加中です。
 
一押しで、私と彼女はハッピーになるかも。





追記でおつかれ会やってます。

関連記事
スポンサーサイト
[ 2011/07/17 13:00 ] 安曇野写真記 | TB(0) | CM(0)








上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。